水頭症ってなに?

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更新日 2008-04-28 | 作成日 2007-09-14

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水頭症ってなに? 1/5

水頭症ガイドブック 基本篇


 

文責:師田信人(国立成育医療センター 脳神経外科 医長)
イラスト:いいじまえみ
編集:山下泰司(日本水頭症協会 代表)


1●髄液(脳脊髄液)と脳室

 頭の中には何が入っているでしょう?
 もちろん脳がありますね。大脳とか、小脳とか。血管や神経もあります。まあ、それくらいは常識、常識。
 でも、水を溜めるところもあるといったら、ちょっとビックリしませんか?
「頭に水なんか入ってるの?」 
 はい、あるんです。頭の中にある水のことを、正式には「脳脊髄液」といいます。これは脳と脊髄(その両方で中枢神経系を構成しています)の中と表面にこの液が存在するからで、通常は略して「髄液」と呼ばれています。
もう少し詳しく、この髄液の存在する脳というものを解剖してみましょう。

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 脳と脊髄は全体を丈夫な膜で覆われています。これを「硬膜」と呼びます。硬膜の下には表面の滑らかな膜があり、内部はくもの巣のように網目状になり、脳・脊髄表面の血管を支えています。これが「クモ膜下出血」で悪名高い「クモ膜」です。実際の手術の際に顕微鏡下に見るクモ膜はとてもきれいなもので、「『神』さまがいなければ創れない」と、思わず感激してしまうほどに芸術的です。
 このクモ膜の下には脳・脊髄表面を直接覆う軟膜と呼ばれる膜があります。字のとおり、とても薄く柔らかい膜です。
 脳になんの問題もない、正常な人の場合、硬膜とクモ膜の間には何もありません。クモ膜表面と軟膜の間はクモ膜の網目が走り、脳表の血管がクモ膜によって固定されています。
 さて、脳の実質、すなわち脳そのものはこの軟膜の下に存在します。そして、脳の中で、髄液を貯留している部分を脳室といいます。いわば、脳室とは脳の貯水場みたいなところです。

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2●水頭症ってなに? 水頭症の診断方法

 水頭症とは、読んで字のごとく、頭の中が水浸しになることですが、水浸しというとちょっと表現がオーバーですね。実際には髄液の産生(普通、「生産」と言いますが、医学の世界では「産生」と言います)・循環・吸収などの異常により、「脳室が正常以上に大きくなった状態」を指します。
 髄液が正常以上に産生されその吸収が追いつかないとき、あるいは何らかの原因で(生まれつき、あるいは生後二次的に)髄液の循環路が閉塞したりすることによって、脳内に過剰に髄液が貯留して、水頭症になります。
 では、医者はどのようにして「この脳室は正常以上に大きい」「この人は水頭症だ」と、診断するのでしょうか。
 現在ではCTなどの画像で診断することが一般的です。脳室の幅と脳の横径の比率をはかって水頭症と診断します。また、髄液の循環・吸収障害により脳室周辺部が画像の上で黒く見えること(専門的にはこのゾーンを「傍脳室部低吸収域」と呼びます)も、水頭症を疑わせる所見となります。
 髄液が脳に過剰に貯留すると、脳の圧が高くなります。そのため、頭蓋骨がまだ固まりきらない乳幼児期に水頭症になると、頭囲が拡大=頭が大きくなってきます。乳児検診のときに必ず頭囲を測定し、母子手帳の頭囲成長曲線にその数値を記していくことは、最も単純かつ有効な水頭症の発見方法です。

3●脳室の構造とその大きさ

 先ほど言いましたように、脳室とは脳のなかで髄液を貯めておく、貯水場のようなところです。しかし、「貯める」という表現はちょっと正確でありません。というのは、髄液は常に産生され、脳内から脳・脊髄表面を循環し、吸収されているからです。
 脳室は4つのパーツからできています。まず、左右の大脳半球内にある側脳室(左、右各一つづつあります)、それから、両側側脳室とつながっていて、より尾側の正中(=まん中)に位置する第3脳室、それよりもさらに尾側(=足の方)にあって、小脳と脳幹に囲まれた第4脳室があります。

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